alii-lily’s Room

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オーストラリアの先住民

昨日のセミナー後に参加者の方たちとお話をしていた時に
先月のウルルツアー中に話題になった本に関連する話になりました。

それはある学者が原住民に拉致されて、身一つで共同生活を強いられるという著者の体験を記したものでした。
私は偶然、今回渡豪する直前に知り合いの方からその話を聞いたので、ウルルでのセミナー中にその話をしました。
すると、6人の参加者中2人がその話を知っていました。
セミナー後に私はすぐにその本について調べました。
すると、その内容はフィクションであり著者は訴えられているということが判明しました。
だからでしょうか。その本はもう中古でしか手に入りませんでした。

しかし、その本について調べていく中で嬉しい出会いがありました。
それが、この本です。

隣のアボリジニ

隣のアボリジニ 小さな町に暮らす先住民 (ちくま文庫)

隣のアボリジニ 小さな町に暮らす先住民 (ちくま文庫)

私が大好きな「守り人シリーズ」や「獣の奏者」シリーズの著者、上橋菜穂子先生の本です。

この本は上橋菜穂子先生の専門分野であるオーストラリアの先住民について書いた文化人類学の本。
実際に現地に住み、心を通わせる中で何年もかかって先住民が話をしてくれた生の声が書かれています。

いままで先住民について表面的なことしか知らず、この本を読み考えさせられました。
私たちがアボリジニと一つで括っている中で、民族の名前も言葉も習慣も違う人たちがいる。
先住民を迫害し土地を奪い、自分たちの都合のいいように法律をかざす侵略者。
やるせない気持ちが湧き上がる中、上橋先生の前向きで忠実に話を伝えようというハートの温かさを感じます。

この体験があるからこそ、あれらのファンタジーがあるのではと思いました。

上橋菜穂子ファンはもちろんのこと、そうでない方にも読んでいただきたい1冊です。


まだの方は、こちらもぜひ!

守り人シリーズ」全10巻セット


獣の奏者 全5冊合本版 」


鹿の王 (上) ‐‐生き残った者‐‐


鹿の王 (下) ‐‐還って行く者‐‐